日本の土地価格が下落する要因はこんなにたくさん

現在、日本の土地価格はバブル崩壊後の不景気を脱出し、全体的に上昇傾向にあると言われています。三大都市圏では外国人を含めた観光客の増加が著しく、特に東京は観光客の増加と2020年に東京オリンピックが開催されることもあってまるでバブルを思わせるような勢いで土地価格は上昇しています。

しかし日本には土地価格が下落する要因がたくさんあり、決して楽観視できない状況にあるのです。

バブル期に土地価格が上昇した要因

一部の土地価格に関してはバブル期に匹敵するほどの上昇を見せていると先ほど書きましたが、今回地価が上昇した要因をバブル期と比較すると大きく異なっていることが分かります。バブル期の土地価格の上昇は紛れもなく日本国内の景気が今までにないほど良かったことが大きな要因となっています。

サラリーマンの給料は軒並み上昇しましたし、就職活動も今とは比べ物にならないほど楽でした。応募した企業にすべて採用されることも当たり前で試験もそこそこに高級料理をごちそうになったりする人も居ましたし。就職すれば会社から車を支給されたという体験をした人も居ました。

結果、円の価値がどんどん上昇していくことによる「円高不況」が懸念されました。するとその対策として日本銀行は公定歩合の引き下げをおこないます。公定歩合が引き下げられることにより銀行からお金を借りやすくなりました。

そこで目をつけられたのが土地です。銀行からお金を借り、土地を購入して資産を増やす「財テク」が流行し、個人も企業も不動産を買い漁りました。その結果国内の土地価格は軒並み上昇し、あまりに上昇しすぎて一般人には手の出せない価格になるようなところも数多くありました。

国内の土地を買えなくなった日本人が外国の土地を買い漁ったため、非難の声を浴びせられたのもバブルならではです。では現在の土地価格上昇の要因とはいったい何なのでしょうか。

今回の土地価格上昇の要因

数年前から土地価格は上昇に転じていますが、上昇が特に顕著なのは商業地と工業地です。特に上昇率が大きいのは商業地なのですが、商業地がどうして大幅に土地価格が上昇したのかというと、観光客が増えたことによって店舗やホテルを建設する動きが高まっているためです。

特に外国人観光客の増加が顕著になっていて、大阪の道頓堀などを歩いていると道を歩いている人の半数以上が外国人観光客という状況も多いです。そしてマンションなどの住宅地を見るとバブル期とは真逆の状況になっています。

バブル期に国内外の土地を買い漁っていたのは日本人ですが、現在特に東京などの大都市圏の土地を買い漁っているのは海外の富裕層です。特に近年成長が目覚ましい中国の富裕層がタワーマンションの部屋などを投資するための資産としてこぞって購入しています。

その証拠に新しく建設され、完売したタワーマンション周辺の道路に人が歩いておらず、夕暮れ時になって部屋に明かりがともらないといった珍現象が起きています。特に交通アクセスがあまりよくない沿岸部ではこの現象が顕著になっていると言われています。

現在東京の不動産を買い漁っている富裕層は主に北京オリンピックの前に北京の不動産を購入し、北京オリンピックが始まる1年前に持っていた土地を全て売り払って莫大な財産を手に入れた人たちです。

今回の東京オリンピックでもそれに倣ってオリンピック直前に一気に土地を売り払うでしょう。すると当然需要よりも供給の方が多くなります。しかし投資目的で東京の不動産を購入している資産家であれば供給過多になった土地の価格は上がらないと判断し、売りに出されたマンションなどには手を付けないでしょう。

結果として土地の大幅な下落が始まる可能性は十分にあります。海外から訪れる外国人を見渡しても現在景気が良いとされている中国人観光客の比率が高いです。彼らは「爆買い」といって日本に訪れると日本製の製品を大量に購入します。

これも商業地の価格が上昇している要因の1つと言えますが、現在中国の土地価格は異常なほど上昇していて日本のバブル崩壊直前のような状況になっています。

そして中国の景気に関しても以前のような急成長はしていないと言われています。今後中国の景気が一気に冷え込み、観光客が激減すれば日本の土地価格にも大きな影響を与えるでしょう。

土地価格は道路との関係で大きく変わる

生産年齢は年々減少傾向

日本の出生率は2016年時点で1.4人となっています。両親が2人いて子供が1人しか生まれない家庭が多いわけですから単純計算しても人口がこのままいけば加速度的に減少していくのは目に見えています。すでに15歳から64歳までのいわゆる生産年齢と言われている年齢層の人口は以前と比べると大幅に減少しています。

国内の需要を大きく支えているのは生産年齢の人たちです。特に住宅など不動産を購入するのはこれら生産年齢の人たちが圧倒的に多いわけですが、生産年齢がどんどん減少していけば不動産の売買数も減少していき、日本の土地には空き家がどんどん増えていきます。

現に地方では空き家が急速に増加しており、治安面からみても深刻な問題となっています。空き家が増えるということは土地の需要が少なくなるので土地価格が下落していくことは間違いありません。

人口移動が停滞している

新しく家を借りたり、家を購入する際には人の移動がかならず発生します。したがって人口移動の推移が土地価格を決める一つの要因になるのですが、人口移動を見ると都道府県間、都道府県内ともに少しずつ低下しています。

つまり以前と比べると人が移動していないのです。人が最も移動する時期は1月から3月にかけてです。これは就職や進学によって新しく住む場所を変える人が増えるためで、特に地方からの移動が顕著になります。しかし先ほども書いた通り出生率が低いこともあって若者の数が急速に少なくなっており、その結果進学や就職をする人の絶対数が減少しています。

また親の給料が上昇しないことも大きな要因となっており、大学生が自分が住んでいる土地の大学へ進学することを選択する割合が増えていることも人口移動が低下している大きな要因となっています。持ち家を買わなかったり新たに部屋を借りる人が減少すれば土地の需要は低下し、価格が下落していくでしょう。

生産拠点が海外へ移転

また生産拠点が海外へ移転していることも土地価格下落の大きな要因となっています。工場などをどんどん海外へ移転していけばそれだけ雇用情勢は悪化していきます。国内の需要は冷え込んで給料は上がらなくなり新たに土地を買う人も減少していけば土地価格は下落の一途をたどってしまうでしょう。